2020年09月24日
先日、M君のお父様とレッスンの事や弦楽器の音についてラインでやりとりした時のお話しです。M君のお父様は企業で働く科学者なので、レッスンを通して様々な事を学ばせて頂く事が多いのです。私が「音程がピッタリ合うと開放弦が共鳴して震えたんです。楽器全体が振動して豊かに響きますよね。調弦は5度で、合うと耳の中がぶーんとうなるのでよく聞いて覚えてください。指で5度を押さえる時も同じなのでずれない様に気をつけてください。」という弦楽器を弾く人にとっては当たり前の事をお話し致しました。この平凡な説明に対するお父様の反応に感動したので記すことに致しました。 「なるほど。振動数の同じ波で増幅される弦自体が共鳴して震えるのに対して、振動数が異なる波では、周期的に音が大きくなったり小さくなったりする「うなり」となるという事ですね。振動数の異なる2つの音叉を鳴らした時に生じる合成波と同じなのが5度の話し。振動数が同じもしくは整数倍は共鳴ですね。共鳴だけではなく、うなりを使っているとは、生身の体で波の計測機械のオシロスコープになるような感覚ですね。」 これを、もし本で読んだなら知識の1つとして「ふーん。」と思ったかもしれませんが、書いてくださった人との人格的関わりがあるからこそ新鮮な感動を覚えたのかも知れません。弦に対する感覚を研ぎ澄まされる思いです。