2020年03月29日
弓の毛が馬のしっぽである事はよく知られていると思います。そのままでは音は出ません。松脂を塗ることでキューティクルに抵抗が出来て弦を摩擦させ、音が出る様になります。松脂を塗る頻度は練習時間に比例します。塗りすぎると抵抗が大きくなり、ガサガサしてしまいます。状態をみて週2~3回くらいつけて下さい。レッスン直前ではなく家でつけて弾き、なじませた方が良いと思います。弓の毛は消耗品です。切れて減ったりしますし、手で触ったりして汚れると音が出なくなります。弾きこんだ毛もツルツルになり、毛替えが必要です。趣味で弾く場合はだいたい1年から1年半くらいでしょうか。張替え時期は毛の状態を見て決めます。弓の毛替えは職人さんが毛を見て細いのや縮れた毛は捨て、デリケートな技術で張替えます。弓の毛にはランクがあります。スタンダード、デラックス、スペシャルなど、工房によりますが値段もそれぞれ違います。私がお世話になっている所では4000円から10000円くらいです。わかりやすく言うと短い毛と長い毛。長い毛は切って捨てる毛先(細くなっていく部分)が多い、つまりしっかりした毛が全体に張られる事になるので、音質も良く高価です。本番前など特別な時にお勧めです。あと、弓の毛が切れたら絶対に引っ張らないで下さい。束ねている所が緩んで次々と抜けやすくなってしまうので、ハサミで根元から切って下さい。本番中に弓の毛が切れる事もありますが、ソロの時は引っ張って切るしかないですね。タイミングが悪いと切る事も出来ず左指に絡むんじゃないかハラハラしながら弾き続けますが。。
蛇足ですが、余り練習せずに久しぶりにケースを開けたら、毛がバサバサになってた!というのは、ウールを食べる虫さんにやられたのです。ケースに住み着かせない様にケアして下さい。